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そろばん復権の“仕掛け人” 森友 建さん(夕凪) <中> 凄い!東洋の計算文化 国際化へ外国人講座が貢献
◇ ◆塾経営のかたわら聴講生として学んだ英語は、実は「外国人のための珠算講座」オープンを見越してのものだったのですね その通りです。それで昭和61年、「外国人のための珠算講座」を大阪珠算協会と大阪商工会議所の共催で始めたのです。その目的を、対外的には、@外国人に日本の伝統的な計算文化を知ってもらうAそろばん指導者の国際感覚を高めるB国際親善を実現する―としていましたが、実際には先ほど(前号で)言ったような思い(外国人が珠算を評価したら国も珠算教育を見直してくれるやろ)がまずあったのです。 ◆それが今では受講生が92カ国・1018人に上(のぼ)っているとか。国際化への努力に頭が下がります。その中でエピソードなどあれば 講座では週1回、各2時間、一対一で指導しています。その中で、例えばスリランカの30代女性はインターネットで講座を知り、日本でホームステイしながら4週間集中的に学び、3級を取得したのですが、「母国に珠算教育を導入したい」と考えるまでになりました。大阪教育大に留学していたエジプトの高校教師も3級を取得し、帰国後、「放課後に生徒のグループを作って指導しています」との便りがありました。また、あるドイツ人男性は阪大の研究生時代に講座に通って3級を取得し、帰国して「ドイツ語で教本を作る」と意気込んでいます。 こうした経験を通じて、日本人が「古い」と見ていたそろばんを外国人は「東洋の凄(すご)い計算文化だ!」と評価していることが分かり、その普遍的で国際的な値打ちを彼らから逆に教えられました。 ◆そろばんがまさに国際化へ一歩を踏み出したということですね はい。その一方で、肝心の国内対策としては、平成12年度から大阪府の小学校へ出張指導を始めました。カリキュラムから珠算指導が減らされ続け、今では6年間にわずか6時間という中で、指導に困難を感じる先生もおられることから、大阪府珠算教育連合会が「サポートしましょう」ということになったのです。その導入校は初年度の53校から今では210校へと広がっています。 この大阪を突破口に、平成16年度からは尼崎市でも「そろばん特区」を実施し、これも初年度の一校から、今では市内の全43校へ広がっています。そして、こうした普及活動の中で、そろばんが子供たちの授業への意欲を上向かせ、学力全般に良い影響を与えることが実証されてきたのです。 ◆大阪を中心に国内でのそろばん復権が着実に進んでいることが分かります。そこでズバリ、そろばんにそうした効果があるのはなぜか、分かり易く教えて頂けますか? 承知しました。(つづく) × × × × もりとも・けん 昭和12年港区生まれ。小学4年から珠算を習う。北野高、甲南大卒。同33年「森友綜合教室」開塾。日本珠算連盟理事長などを経て現在、一般社団法人大阪珠算協会会長・近畿珠算強化連合会代表。ブログ「世界に広がるそろばん文化」。 森友綜合教室 夕凪2‐13‐7、TEL・FAX6572‐6877 |
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