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津波避難ビル指定は国の「指針」に則して

今月の提言者 森 俊隆さん(81) /築港

 東日本大震災が残した教訓は 「津波警報が出たら近くの高い建物へ逃げること」 でした。これを踏まえて大阪市は今年5月以降、市立の小中学校167校、市営住宅112棟を津波避難ビルに指定しました(朝日新聞9月29日付)。港区では池島南住宅と八幡屋宝町住宅の2棟で、築港住宅は含まれていません。


◆国の 「指針」 遵守求める
  さて大阪市の次の取り組みは、民間企業が所有する1万棟のビルに働きかけ、津波避難場所を確保することです。港区役所は 「11月から働きかけを行う」 と言っています。
  そこで私たち 「津波高潮対策築港の会」 は8月2日、市長宛てに質問書を郵送し 「津波避難ビルについて民間に協力を求めるなら、津波避難ビル等に係る協定書は国のガイドライン(指針)の内容を遵守(じゅんしゅ)すべきだ」 と主張しました。9月15日、危機管理監の名前で回答書が届きましたが、「協定の内容については、柔軟に対応する」 とあるだけでした。

◆淀川区では区長責任も
  これに先立つ9月17日、市役所応接室で報道記者が見守る中、市の最高幹部と淀川区のホテル業者が津波避難ビル協定書に調印しました。が、この 「事件」 を私たちが知ったのは、市危機管理室のホームページを開いた10月初めでした。
  さらに 「協定書(協定書の一例です)」 という文書をホテル所在地の淀川区役所のホームページで見つけました。そこには 「甲=淀川区長、乙=連合振興町会会長、丙=建物所有者」 とあり、施設・備品の破損時等の対応については 「使用後は、甲、乙において現状(「原状」の誤り筆者)に復するよう努めるものとする」 とあります。驚きました。市が 「柔軟に対応する」 とはこの事だったのです。

◆港区は連合町会長負担
  なぜ驚いたかと言うと、築港地区で先に締結された建物所有者と連合町会長の協定では、一時避難ビルとして使用された場合の施設の破損については、連合町会長が “全額” 負担するとなっているからです。
  一方、国のガイドラインでは 「施設の破損については、甲(市町村長=筆者)が復旧に係る費用を負担するものとする」 となっています。これに照らせば、連合町会長が全額負担する港区と、区長の負担責任を明記している淀川区の、どちらの協定書が民間建物所有者の理解と共感を得られるか、一目瞭然ではありませんか。

◆公開討論会に参加を
  港区が従来の協定書に拘(こだわ)り、国の指針で明確に規定されている市長・区長の責任を不問にする態度をとり続けるなら、この不況の最中(さなか)、誰が進んで津波避難ビル指定に協力してくれるでしょう。
  港区長は 「広報みなと」 の次号で自らの見解を説明して下さい。港区選出の市会議員、連合町会長の皆様、こんな事を続けていて良いのでしょうか。近く公開討論会を開催しますので、ぜひ参加して下さい。
〈津波高潮対策築港の会代表幹事〉
(2011年10月15日)
 
 
 
 
 
 
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