高齢者らの利便・安全のため
大阪港駅東口にEV(エレベーター)を
今月の提言者 山田博之さん(70) / 築港
大阪市交通局は4月1日から、交通バリアフリー法に基づき、全路線でノンステップバスの運行を始めました。高齢者や障害者、お子様連れの方々が市バスを利用する際の 「利便性と安全性」 に着目した、まことに結構な施策だと思います。
私は昨年8月、「地下鉄大阪港駅の東改札の近くにエレベーターを増設して欲しい」 との要望書を近隣および大阪船員保険病院の患者・家族のみなさまから託された1916筆の署名と共に新谷交通局長(当時)へ提出しました。
◆期待裏切る局長回答
後日届いた回答書には 「大阪船員保険病院など行先によってはご不便をおかけする場合もあるかとは存じますが、現在の(1号出入口の)施設をご利用いただきますようお願い申し上げます」 とありました。
期待を裏切る回答でしたので、あらためて市議会交通水道委員会へ陳情書を提出したところ、同年10月に開かれた委員会で局長は 「2ルート目のエレベーター整備に対しまして国等(国及び大阪市=筆者注)からの補助を受けるためには、ワンルート整備と同等の必要性が求められます」 との見解を表明されました。
私は 「ワンルート整備と同等の必要性が求められる」 との部分に違和感を覚えます。なぜなら、同駅にとって、「ワンルート整備の必要性」 とは、海遊館や天保山マーケットプレース、旧サントリーミュージアムを訪れる高齢者や障害者、お子様連れの方々の 「利便性と安全性」 を確保することが最大の目的でした。そして、1号出入口が他の出入口と比べ集客施設へのアクセスに断然優れているため選ばれました。ですから、「2ルート目はワンルート整備と同等の必要性が求められる」 と言えば、その条件に適合する設置場所は1号出入口しか無いのですから、結局、2ルート目の実現可能性は限りなく縮小します。
◆高齢者多い周辺地域
そうではなく、2ルート目のエレベーターの整備については、平成22年の国勢調査の結果に基づき、その必要性を判断していただきたいと思います。
同駅の周辺の人口は6620人ですが、そのうちの5715人(86パーセント)はエレベーターが無い2〜6号出入口の周辺に住んでいます。65歳以上の高齢者に限れば、1号出入口の133人に対し、2〜6号出入口は1595人。ざっと12倍です。加えて、同駅の東改札の近くにある大阪船員保険病院には地下鉄弁天町駅以遠や南港方面からも多数の患者・家族が来院しています。
地下鉄大阪港駅の東改札付近に2ルート目のエレベーターが設置されれば、近隣住民および大阪船員保険病院を訪れる患者・家族のみなさま、なかでも、高齢者や障害者、お子様連れの方々の 「利便性と安全性」 が各段に改善されます。
交通バリアフリー法の趣旨を踏まえ、交通局が同駅に2ルート目のエレベーターを早急に整備して下さいますよう強く要望します。
(2012年5月15日)