「一日も早い復興を!」 と東日本大震災被災地への支援活動が全国と同様、港区でも引き続き、様々な創意と工夫を凝らして行なわれています。被災地の苦境に心を寄せながら、「明日は我が身」 「苦しい時はお互いさま」 「今こそ日本の底力を!」 と大人も子供も、商人も労働者も、スポーツマンもマッサージ師も、心一つに展開される義援金呼びかけなどの活動。そのごく一部を前号に続いて紹介します。
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「東日本大震災への義援金お願いします」 と呼びかけるボーイスカウト日本連盟なにわ地区大阪第104団の団員たちと、応じる母子=4月29日、JR弁天町駅前で |
◆ボーイスカウトが
4月29日にはボーイスカウト日本連盟なにわ地区大阪第104団が被災地支援の街頭募金活動を行いました。幼稚園年長から高校生まで、港区の青少年団員を中心に20数人が午前の2時間、JR弁天町駅前の3カ所に立ち、駅に出入りする人たちに 「東日本大震災への義援金お願いしま〜す」 と呼びかけました。
団委員長の神谷一寿(かみたに・かずとし)さん(60)は 「震災発生から2カ月近く経たちましたが、依然として被災地に寄せる市民の皆さんの温かい気持ちが伝わってきます。特に経済力のない学生さんからのカンパには額の多少に関わらず、本当に感激しました。支援のボランティア希望者はたくさんおられるのに、なかなか現地へ入れない状況が気になります。大震災の街頭募金活動はこれが初めてですが、今後も継続的に取り組みたいと思っています」 と話していました。
熱心に声を挙げていた団員の一人、梶山拓朗君(池島小3年生)は 「沢山の人たちが亡くなられ、家も流されて、とても可哀想です。今日はお金を沢山入れてもらえ、すごく嬉しかったです」 と話していました。
◆マッサージ師らが
4月17日には夕凪の福田土地建物鰍フ社屋ビル2階で 「東日本大震災復興チャリティーマッサージ会」 が行われました。同社をはじめ、つばき整骨院(夕凪)、わかば整骨院(福島区)、鰍hPS(北区)が共催。
午後の5時間、近隣住民や両院の利用者ら約100人が来場し、施術士10数人からマッサージを受けると共に、義援金をカンパしました。来場者からは 「被災地のお役に立ちながら、プロの方に施術してもらい、とても気持ち良く、満足です」 などの感想がありました。
集まった7万数千円は全額、日本赤十字社を通じて被災地へ送られました。マッサージ師の一人は、「被災者の方たちを直接癒すことはできませんが、こうして地元の方に喜んで頂くことを通じて被災地に元気を届けることが出来れば嬉しいです」。また、この催しを企画した一人、田中秀寿(ひでかず)さん(福田土地建物潟}ネジャー)は 「いま我々に出来ることは何だろうかと皆で相談し、整骨院や関連企業にも呼びかけて開催しました。今後、地域でこうした被災地支援の催しの予定があれば、当社のスペースを利用して頂くことも出来ますので、ぜひご連絡下さい」 と話していました。連絡先は 06-6573-0022 福田土地建物梶i担当・田中)。
◆町会が、商店会が
港区地域振興会も4月、区内11の各町会連合会で支援活動に取り組み、短期間で1500万円を超える義援金が集まり、日本赤十字社を通じて被災地へ届けられました。
また、八幡屋商店街の角正基(すみ・まさき)さんを理事長とする大阪市商店会総連盟(市商連)は4月8日、義援金1千5百万円を大阪市に寄託し、大阪市は日本赤十字社を通じて被災地へ届けました。
市商連は約1万3千6百人の会員を有する市内商店主の集まり。震災直後から会員の間で 「被災地のために何かできないか」 との声が上がったのを受けて、3月の常任理事会で 「被災地支援」 を緊急議題として取り上げ、18日から募金活動を継続していました。
◆土木業者が現地へ
八幡屋の土木業者・坂本岩男さん(69)(港民主商工会会員)は直接被災地へ赴きました。大阪商工新聞(5月1日付)によると、坂本さんは3月31日夕、救援物資をトラックに満載し、大阪商工団体連合会の人たちと共に福島県へ向けて出発しました。福島県JA倉庫(物資の集中場所)に到着したのは翌朝5時半。農協でフォークリフトを借り、物資を降ろしました。午後からは現地の商工会への物資輸送や仕分け作業。避難所への物資運びも手伝いました。
2日目は朝から福島県相馬市へ。案内してくれた現地商工会の人たちも被災し、親戚や避難所で生活していました。高台から港のある松川浦へ入った途端、風景が一変しました。津波で陸に打ち上げられた船、海に半分沈んだバス、港の道路は車や家の残骸―まさに 「ぐちゃぐちゃ」 の状態に言葉も出ませんでした。
坂本さんは、ちょうど仕事が空き、奥さんからも後押しされて支援に向かったそうです。「(現地は)悲惨の一言で、机上では何とでも言えますが、あの現場を見たら言葉になりません。現地の商工会の人たちが 『しんどい』 とつぶやいていたのが印象に残っています」。片道12時間の運転も 「現地を思えば大した事ない。自分も頑張ろう」 という気になったそうです。
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各種のイベントでも
その他、4月には地域情報センターオープニングイベント(4面に記事)、港区民剣道大会(4面に記事)、西日本アームレスリング選手権大会(5面に記事)、港高校吹奏楽部コンサート(6面に記事)など各種イベントでも、@募金箱を設置する Aチャリティー似顔絵会の収益を義援金にする Bバーゲンセールの売上の一部を義援金に回す―など様々な工夫を凝らして支援活動が行なわれました。
2011年5月15日(141号)